スパイラルヘリンボーンの編み目がゆるくなってしまうことの解決法(続き)

前回の「スパイラルヘリンボーンの編み目がゆるくなってしまうことの解決法」で書き忘れていました。
KT154-1NEとKT154-2NEもスパイラルヘリンボーンで作ります。

こちらは、スパイラルになっている上に、丸小ビーズと特小ビーズの組み合わせになっているので、さらに注意が必要です。
うまく編めると、きれいならせん状になりますが、ゆるいと、らせんの形がはっきりしない間延びした感じになります。特小ビーズの間にすき間ができて、ゆるんでくることが多いようです。

上へ上へと編んでいくイメージで作ると、出来上がった段の上にビーズを載せるような編み方になってしまい、特小ビーズの間にすき間ができて、きれいならせん状になりません。

特小ビーズを内側に巻き込むようにしながら、固定電話の線のようにクルクル巻きながら進むイメージで作ると、出来上がった段の上に乗せるという編み方にならず、特小ビーズの間を締めるような編み方になります。

出来上がっていく方向に対して、編目の断面は、かなり横を向いているのが分かります。

上記のキットは、ビーズアクセサリーLobeliaのKT154-1NE/KT154-2NEはこちらのページで販売しています。

スパイラルヘリンボーンの編み目がゆるくなってしまうことの解決法

スパイラルヘリンボーンのキットは、ビーズアクセサリーLobeliaでは、KT152-1NEとKT122-1NEがあります。
これを編んでいて、編み上がりが部分的にゆるくなってしまうようなことはありませんか。

スパイラルヘリンボーンを1段編むのに、KT152-1NEのネックレス部分は2工程、KT122-1NEは3工程の作業があります。

スパイラルヘリンボーンは、2個のビーズを拾った後、隣の列のビーズに上から下方向へ2個分糸を通し、さらに隣の列のビーズに下から上方向へ糸を通します。
最後の工程だけは、2個のビーズを拾った後、隣の列のビーズに上から下方向へ1個分糸を通し、さらに隣の列のビーズに下から上方向へ糸を通します。

上から下方向へ2個分糸を通す部分は、よく締まるので、ゆるみにくいのですが、最後の工程では上から下方向へは1個分しか糸を通さないため、この部分がゆるみやすくなります。

KT122-1NEは3工程の内、上から下方向へ2個分糸を通す箇所が2工程なので、比較的ゆるみが出にくいのですが、KT152-1NEは、1工程は2個分糸を通し、1工程は1個分糸を通しますので、こちらは、特に気を付けないと、ゆるみの出方が顕著です。

どちらの場合も、最後の工程の時に、糸をゆるませないように注意すると、きれいな編み上がりになります。

筒状に編む場合は、編んでいる物を横に回転させながら編むと思います。
この時に、ビーズから出ている糸を、指から離してしまうと、糸が緩んでしまいます。

また、次の一針を入れる前にビーズから出ている糸を、指から離してしまい、そのまま次の工程をすると、針でビーズを動かしてしまい、せっかくきちんとした状態に編めている部分を緩めてしまうことにもなります。

針を持っていない方の手の指に糸を引っ掛けて固定し、常に編み目を緩ませないようにしておくことが大切です。

最後の工程だけは、他の工程よりも、やや強く糸を引いてから、指に糸を引っ掛けておくと、ちょうどよいくらいです。

スパイラルヘリンボーンのキットは、ビーズアクセサリーLobeliaのKT122-1NEはこちらKT152-1NEはこちらのページで販売しています。

ビーズのドイリー(ビーズで編むマット)の段の完成後、同じ段に再度糸を通す理由。

ビーズのドイリー(ビーズで編むマット)のキットでよくある質問についてです。
疑問に思っている方も多いのではないかと思いますので、理由と、どういう時にする必要があるのかについて書いておきます。

ネッティングのステッチを使ったこのドイリーの作品の場合、
「11段目。
10段目の頂点(印)の間に、シードビーズを5個ずつ入れる(48箇所)。
今入れたビーズの1、2、4、5番目のみに糸を通す。

キットによっては、
「11段目。
10段目の頂点(印)の間に、シードビーズを5個ずつ入れる(48箇所)。
今入れたビーズの頂点以外のビーズに糸を通す。

と、なっている物もありますが、同じ意味です。

この「今入れたビーズの1、2、4、5番目のみに糸を通す。(今入れたビーズの頂点以外のビーズに糸を通す。)」の作業をしなくても、形を作ることはできますが、持ち上げた時などに型崩れしてしまいます。

理由は、11段目にシードビーズを5個入れただけでは、上図の2個の×印の部分(5個のビーズの内の2、4番目)のビーズが直接つながっていないためです。
同様に、上図の2個の印の部分(1つ目の山型のビーズの5番目と隣の山型の1番目)のビーズも直接つながっていないためです。

下図のように、×印の部分のビーズと、印の部分のビーズに全て糸を通すと、「今入れたビーズの1、2、4、5番目のみに糸を通す。(今入れたビーズの頂点以外のビーズに糸を通す。)」ということになります。このようにしておくと、型崩れしないだけではなく、山型の形も頂点が飛び出た、きれいな形になります。

この作業は、すべての段では行いません。
下の図のように、その段を編んだ時に、隣り合う×印の部分のビーズ同士、あるいは、隣り合う印の部分のビーズ同士が、ぴったりとくっつくように並んでいる場合のみです。
この場合は、たいてい山型の数も多く、幅の狭い形になっていることが多いため、何もしないと、収まりが悪いため、必ず必要になります。下の図のように、その段を編んだ時に、山の形が低く、隣り合う×印の部分のビーズ同士、あるいは、隣り合う印の部分のビーズ同士が、離れている場合は、行いません。

余談ですが、ペンダントトップの一番外側が、山型になっているデザインの場合も、同様の作業を行うと、きれいに仕上がります。

ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その1
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その2
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その3
ビーズのドイリー(ビーズで編むマット)の段の完成後、同じ段に再度糸を通す理由
オフルーム(ビーズステッチ)で使う糸の色の選択で迷いませんか

オフルーム(ビーズステッチ)で使う糸の色の選択で迷いませんか

オフルーム(ビーズステッチ)の作品で、例えば、ブルー系のビーズが多い作品を作る場合は、ターコイズやブルーの糸などのように、ビーズと同系色の糸を使うことが多いと思います。

では、多色のビーズが入り混じった作品の場合は、どんな色の糸を使えばいいのか、結構難しい時があります。

例えば、下のビーズのドイリー(ビーズのマット)のような作品。いろいろな色のビーズが入っていますが、ホワイトの糸を使って編みます。

次の(1)~(4)の写真の、ペヨーテステッチで編んだ2枚のパーツはそれぞれ、同じビーズを使っていますが、左は、ターコイズの糸、右はホワイトの糸で編んでいます。(1)は不透明(:opaque、ギョク)のターコイズ色のビーズを使っていて、写真では分かりづらいかもしれませんが、左のターコイズ色の糸で編んだ方が、やや濃く見えます。
(2)は不透明のホワイトのビーズで、これはかなり色味が違って見えます。

ビーズ同士のすき間がほとんどないペヨーテステッチで、しかも不透明なビーズを使っていても、ビーズ同士のわずかなすき間から見える糸の色が影響しているためです。

(3)は、セイロン系のビーズで一見不透明のようですが、完全に不透明ではないため、ビーズそのものの色も濃くなって見えます。
透明系のビーズを使うと、この色の差はさらに出てきます。

(4)は、不透明の濃いブルーのビーズで、こちらはほとんど差が見えません。

以上のことと、このドイリーの場合、ホワイトのビーズと透明系のビーズの色は濁ってほしくないため、色味を変化させないホワイトの糸を使うということになります。

このドイリーは、ホワイトのビーズを使っていませんが、セイロン系のビーズが多いため、濃い色の作品ですが、これもホワイトの糸を使っています。
落ち着いた感じにしたい場合は、クリーム色の糸を使うこともあります。

その他にも、ブラック系のビーズと他に数色のビーズを使う場合、ブラックの糸では色が強すぎる感じがして、グレー、ベージュの糸を使うことが多いです。

同様に、グリーン系のビーズに、グリーンの糸を使うと、グリーンの色がより濃くなってしまうため、たいていクリームの糸を使います。グリーン系とブラウン系のビーズを合わせる時は、クリーム又はベージュの糸を使うことが多いです。

作品の種類によっても変わってきますし、使うステッチの種類によっては、糸が目立つこともあるので、一概にこの色の糸が最適と言えないのですが、作品がどのように見えるといいのか考えて、糸の色を選択するといいと思います。

ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その1
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その2
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その3
ビーズのドイリー(ビーズで編むマット)の段の完成後、同じ段に再度糸を通す理由
オフルーム(ビーズステッチ)で使う糸の色の選択で迷いませんか

ビーズアクセサリーLobeliaで販売しているビーズのドイリー(ビーズのマット)はこちらです。

プレイテッドヘリンボーンステッチの応用の方法(1)

2012年4月に「プレイテッドヘリンボーンステッチを使ったオフルームビーズワーク」という本を出版しました。
その中で、円形のプレイテッドヘリンボーンステッチは、アクセサリーのパーツとして利用しやすく、応用範囲も広いです。

例えば、ネックレスの留め具としての、トグル(マンテルとも言います)の輪の部分ができます。
通常トグルは、下記写真のような金属製品の物が販売されています。

しかし、このネックレスの留め具のトグルは、ビーズで出来ています。本書のP.34の「円形のペンダント」と同様の作り方で、出来ます。
段数を増やすだけでなく、円形の一番外側に来るビーズの数や大きさを変化させても、円の大きさを変えることが出来るので、好みのサイズの輪が出来ます。
ビーズ2個分の厚みもありますし、糸をよく引いてしっかり出来上がると、かなりの堅さになりますので、十分実用的なトグルの輪となります。

バーの部分はペヨーテステッチで編み、太ければ内側に竹ビーズやTピンを切った物を芯として入れています。

上の写真では、チェーンと一緒に仕上げていますが、金属を使わず、ビーズのみで仕上げるようにすると、金属アレルギーの方にもおすすめできます。

tiny_bk01_plaited_photo円形の外側のビーズだけでなく、内側のビーズを変化させたり、模様の入れ方を工夫すると、いろいろデザインすることができます。
もちろん、この輪をアクセサリーのパーツの1つとして使うこともできます。

「プレイテッドヘリンボーンステッチを使ったオフルームビーズワーク」の本は、こちらで販売しています。

プレイテッドヘリンボーンステッチの応用の方法(2)
プレイテッドヘリンボーンステッチの応用の方法(3)
プレイテッドヘリンボーンステッチの応用の方法(4)