オフルームビーズワークでの糸の色を生かした編み方

オフルームビーズワークで使う糸の色の選択で迷いませんか。」で書いたことを、もう一歩進めると、糸の色を生かして編むということができます。

例えば、上写真に使用しているビーズは、透明系(:Transparent、スキ)のブルーグリーンのビーズです。
左から順に、ダークブルーの糸、ターコイズの糸、クリームの糸、ホワイトの糸で編んでみました。

同じビーズですが、違うビーズを使ったように見えます。
私の場合は、例えば、葉っぱを作る時に、よくこういう方法を取ります。
そうすると、ビーズの色が3色しかなくても、糸が4色あれば、12色のビーズの色があることになります。
また、同じ色のビーズでの、色の濃さが変わるので、陰影を付ける効果も出せます。

また、それ以外にも、ビーズの色が少し薄いと思う時は、そのビーズの色と同系色の糸を使うと、編みあがりの色が少し濃くなりますので、もう少し濃い色があればと思う時は、糸の色をあえて変化させてみるのも1つの手です。

ヘリンボーンステッチは、編み目の特徴から、糸が表面に見えるので、糸の色の影響は大きいです。例えば、透明カラーのシルバーライン(銀引)のビーズを編む時に、ホワイトの糸で編むと、白っぽいシルバーになり、グレーの糸で編むと、落ち着いたシルバーになります。

身近な所にビーズワークの配色のヒントがあったりします。

ずいぶん前に、カメラでの撮影の仕方を、短期間教えてもらったことがあります。
まだデジタルカメラがなかった頃だったので、フィルムカメラで、マクロレンズを付けて植物のクローズアップ撮影を練習していました。

デジタルカメラだと撮った写真に余分な物が写り込んでいてもいても、ソフトで簡単に消せたりしますが、フィルムカメラだとそうはいかないので、撮影の時に、神経を使いました。
それでも、撮影する場所の都合で、入ってしまったりするんですよね。

「ファインダーを覗いて、余分な物が入っていないか、隅々まで見て確認しなさい。」とか「被写体をよく見て、一番きれいに見える角度を探して、カメラの高さや向きをいろいろ変えなさい。」などと、撮影の度によく言われました。
だから、撮影時間よりも、カメラを覗き込んでいる時間の方が長かったです。

でも、そのおかげで、写真を撮っていない時でも、何かを観察する時には、ジーッと穴があくまで見るような見方をする癖がついて、細かい所まで物を見るようになりました。

そんな目で、花を見ると、形がおもしろかったり、思ってもない色が入っていたりします。ブルースター(オキシペタラム)は、2~2.5cmほどの明るいブルーの花が咲きます。
開花してからも色合いが変化して、紫とブルーが混じっている時の色は、独特の色合いをしていて、すごいきれいです。

よく見かける単色に見えている花も、よく見てみると、いろんな色が入っていたりします。
観察してみると、案外身近な所に、ビーズワークの配色のヒントがあったりします。
何か見つけようと思って見ていると、何となく物を見ているよりも、おもしろいですよ。

オフルーム(ビーズステッチ)で使う糸の色の選択で迷いませんか

オフルーム(ビーズステッチ)の作品で、例えば、ブルー系のビーズが多い作品を作る場合は、ターコイズやブルーの糸などのように、ビーズと同系色の糸を使うことが多いと思います。

では、多色のビーズが入り混じった作品の場合は、どんな色の糸を使えばいいのか、結構難しい時があります。

例えば、下のビーズのドイリー(ビーズのマット)のような作品。いろいろな色のビーズが入っていますが、ホワイトの糸を使って編みます。

次の(1)~(4)の写真の、ペヨーテステッチで編んだ2枚のパーツはそれぞれ、同じビーズを使っていますが、左は、ターコイズの糸、右はホワイトの糸で編んでいます。(1)は不透明(:opaque、ギョク)のターコイズ色のビーズを使っていて、写真では分かりづらいかもしれませんが、左のターコイズ色の糸で編んだ方が、やや濃く見えます。
(2)は不透明のホワイトのビーズで、これはかなり色味が違って見えます。

ビーズ同士のすき間がほとんどないペヨーテステッチで、しかも不透明なビーズを使っていても、ビーズ同士のわずかなすき間から見える糸の色が影響しているためです。

(3)は、セイロン系のビーズで一見不透明のようですが、完全に不透明ではないため、ビーズそのものの色も濃くなって見えます。
透明系のビーズを使うと、この色の差はさらに出てきます。

(4)は、不透明の濃いブルーのビーズで、こちらはほとんど差が見えません。

以上のことと、このドイリーの場合、ホワイトのビーズと透明系のビーズの色は濁ってほしくないため、色味を変化させないホワイトの糸を使うということになります。

このドイリーは、ホワイトのビーズを使っていませんが、セイロン系のビーズが多いため、濃い色の作品ですが、これもホワイトの糸を使っています。
落ち着いた感じにしたい場合は、クリーム色の糸を使うこともあります。

その他にも、ブラック系のビーズと他に数色のビーズを使う場合、ブラックの糸では色が強すぎる感じがして、グレー、ベージュの糸を使うことが多いです。

同様に、グリーン系のビーズに、グリーンの糸を使うと、グリーンの色がより濃くなってしまうため、たいていクリームの糸を使います。グリーン系とブラウン系のビーズを合わせる時は、クリーム又はベージュの糸を使うことが多いです。

作品の種類によっても変わってきますし、使うステッチの種類によっては、糸が目立つこともあるので、一概にこの色の糸が最適と言えないのですが、作品がどのように見えるといいのか考えて、糸の色を選択するといいと思います。

ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その1
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その2
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その3
ビーズのドイリー(ビーズで編むマット)の段の完成後、同じ段に再度糸を通す理由
オフルーム(ビーズステッチ)で使う糸の色の選択で迷いませんか

ビーズアクセサリーLobeliaで販売しているビーズのドイリー(ビーズのマット)はこちらです。

自分の持っているビーズの見本カードを作りましょう。

皆さん、持っているビーズの見本カード作っていますか。
オフルームビーズワーク Sweet Peaのサイトでも見本カードを作るという項目で詳細を書いているのですが、作っておくと何かと便利です。

ビーズの色合わせでは、とても役に立ちます。
色合わせの際は、針にビーズを通して、見本カードのビーズに近づけて、どの色と組み合わせようかと考えるのに使っています。
また、自分の持っているビーズの種類もよく分かりますし、購入予定も立てやすくなります。

カードの作り方も、一列目は赤系、二列目は青系などのように、色の種類別にビーズを刺す場合と、一列目はシルバーライン系(:銀引、silverlined)、二列目は透明系(:スキ、transparent)などのように、加工の種類別にビーズを刺す場合とがあると思います。

私は、ビーズの加工の種類別にどのくらいの色を持っているかが分かりやすいため、加工の種類別にビーズを刺しています。
この場合、最初は加工の種類で列を分けた上で、色をきれいに見える順番に並べて刺しておけるのですが、増えてくるとバラバラの色合いになってきます。
増えた時に、いろんな色が混じって並ぶのが見づらいという場合は、色別に列を分けて刺しておくといいと思います。

ビーズをそんなに持っていないので、作る必要がないという方も、ビーズの種類が少ない内に作っておく方が、後が楽ですよ。
たくさん持っていて全部のビーズをカードに刺すのが面倒、という場合は、まず一番多く使うシードビーズから始め、数色ずつ作業すれば、いつの間にか出来上がります。
いったん出来上がった後は、新しく購入した色の分のみ作業すればいいので管理は楽になります。

同系色でのビーズの配色も意外と難しいことがあります。

ビーズの配色で、まず取り組みやすいのが、同系色での配色です。
でも、ビーズの種類が増えてくると、意外と難しくなってきます

例えば、赤とピンクを合わせたい場合で、赤の色が決まっていて、ピンクはどの色にしようかという場合を考えてみます。
ピンクと一口に言っても、サーモンピンク、ホットピンク、ストロベリーピンクなどいろいろあります。

また、ぞれぞれの色の濃淡も含めると、その赤にどのピンクが合うのか、と考えていくと、すぐに決めることが出来ません。

この組み合わせはよいというのはある程度ありますが、絶対それしかないという物でもなく、個人の好みもあり、なかなか難しい物です。

自分のイメージに合うのはどんな感じなのか、やさしい感じ、メリハリのある感じ、元気な感じ、花のようなイメージ、落ち着いた感じ、作品のテーマとしてはどれが合うのかなど、いろいろな視点で考えてみる必要があります。


一番いいのは、2、3個の候補がある程度決まったら、試し編みしてみることです。
ビーズのみで色合わせしてOKと思っていても、作ってみると、案外違うということがあるものです。

特に透明系(:スキ、transparent)のビーズは隣り合う色の影響を受けやすく、濃い色が隣に来ると、イメージしていた色より濃く見えてしまうことがあります。
下の写真は、透明系のビーズの色が隣の色に影響される例です。
(1)の矢印方向のビーズと(2)の矢印方向のビーズの色は、透明系のサーモンピンクで、全く同じ色ですが、両隣に赤のビーズがある(2)の方向のビーズの色が濃く見えています。

この他にも、ビーズの加工の種類によっても影響されたりしますし、ビーズの配色は、材料の特徴による違いも考慮する必要があります。