プレイテッドヘリンボーンステッチの応用の方法(1)

2012年4月に「プレイテッドヘリンボーンステッチを使ったオフルームビーズワーク」という本を出版しました。
その中で、円形のプレイテッドヘリンボーンステッチは、アクセサリーのパーツとして利用しやすく、応用範囲も広いです。

例えば、ネックレスの留め具としての、トグル(マンテルとも言います)の輪の部分ができます。
通常トグルは、下記写真のような金属製品の物が販売されています。

しかし、このネックレスの留め具のトグルは、ビーズで出来ています。本書のP.34の「円形のペンダント」と同様の作り方で、出来ます。
段数を増やすだけでなく、円形の一番外側に来るビーズの数や大きさを変化させても、円の大きさを変えることが出来るので、好みのサイズの輪が出来ます。
ビーズ2個分の厚みもありますし、糸をよく引いてしっかり出来上がると、かなりの堅さになりますので、十分実用的なトグルの輪となります。

バーの部分はペヨーテステッチで編み、太ければ内側に竹ビーズやTピンを切った物を芯として入れています。

上の写真では、チェーンと一緒に仕上げていますが、金属を使わず、ビーズのみで仕上げるようにすると、金属アレルギーの方にもおすすめできます。

tiny_bk01_plaited_photo円形の外側のビーズだけでなく、内側のビーズを変化させたり、模様の入れ方を工夫すると、いろいろデザインすることができます。
もちろん、この輪をアクセサリーのパーツの1つとして使うこともできます。

「プレイテッドヘリンボーンステッチを使ったオフルームビーズワーク」の本は、こちらで販売しています。

プレイテッドヘリンボーンステッチの応用の方法(2)
プレイテッドヘリンボーンステッチの応用の方法(3)
プレイテッドヘリンボーンステッチの応用の方法(4)

同系色でのビーズの配色も意外と難しいことがあります。

ビーズの配色で、まず取り組みやすいのが、同系色での配色です。
でも、ビーズの種類が増えてくると、意外と難しくなってきます

例えば、赤とピンクを合わせたい場合で、赤の色が決まっていて、ピンクはどの色にしようかという場合を考えてみます。
ピンクと一口に言っても、サーモンピンク、ホットピンク、ストロベリーピンクなどいろいろあります。

また、ぞれぞれの色の濃淡も含めると、その赤にどのピンクが合うのか、と考えていくと、すぐに決めることが出来ません。

この組み合わせはよいというのはある程度ありますが、絶対それしかないという物でもなく、個人の好みもあり、なかなか難しい物です。

自分のイメージに合うのはどんな感じなのか、やさしい感じ、メリハリのある感じ、元気な感じ、花のようなイメージ、落ち着いた感じ、作品のテーマとしてはどれが合うのかなど、いろいろな視点で考えてみる必要があります。


一番いいのは、2、3個の候補がある程度決まったら、試し編みしてみることです。
ビーズのみで色合わせしてOKと思っていても、作ってみると、案外違うということがあるものです。

特に透明系(:スキ、transparent)のビーズは隣り合う色の影響を受けやすく、濃い色が隣に来ると、イメージしていた色より濃く見えてしまうことがあります。
下の写真は、透明系のビーズの色が隣の色に影響される例です。
(1)の矢印方向のビーズと(2)の矢印方向のビーズの色は、透明系のサーモンピンクで、全く同じ色ですが、両隣に赤のビーズがある(2)の方向のビーズの色が濃く見えています。

この他にも、ビーズの加工の種類によっても影響されたりしますし、ビーズの配色は、材料の特徴による違いも考慮する必要があります。

糸を強く引いて編むだけでは、作品が堅く仕上がりません

オフルームビーズワークでは、いろいろなステッチを使って編みますが、いつも柔らかくしなやかに仕上がるように編むわけではなく、作品をしっかりとした堅さに仕上げたい場合は、糸をよく引いて編みます。

例えば、ペンダントトップの部分や、

飾りつぼの首の部分など。

さらに、滑らないタイプのワックス(ビーズワックス:beeswax)をしっかりかけて、糸が滑ってゆるんでこないようにして、作業します。

ワックスもよくかけて、糸もしっかり引っ張っているのに、堅く仕上がらないということがあります。
気づかない内に、糸をゆるめてしまっているのが原因です。

【堅く編んだ状態を保つ方法】

  1. 作業中に、作品から出ている糸を、針を持っていない方の手の指に引っ掛けてしっかりと押さえておきます。
  2. ビーズに針を通して糸を引き、その糸を引っ張り終わる直前に、抑えている指を離してサッと糸を引っ張り、強く糸を引いた状態を保つように、再び糸を押さえておきます。



常に、このようにしていると、糸がゆるんで柔らかくなってしまうことはありません。
また、作業する部分が指の上で固定され、グラグラしないので、針も刺しやすくなる利点があります。

糸を押さえずに作業していると、徐々に糸が滑ってきて、前に編んだ部分の編み目がゆるんできます。
また、糸を押さえていないことで、針を通す時にビーズが持ち上がり、糸をゆるめてしまうことにもなります。

あまりにも糸を強く引きすぎると、糸そのものがブチッと切れてしまうので、ある程度の力で引っ張り、ゆるまないようにしておく方がいいということです。
力を入れ過ぎると、手も疲れますので。

今まで、こういう方法で作業していない場合は、最初はやりづらいと思いますが、練習を繰り返すとコツが分かってきますので、ぜひ習慣づけておく方がよいと思います。

ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その3

「ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編むときのコツ – その1 – その2」でビーズでドイリーを編む時の、糸の引き具合について書きました。

糸を強く引いて作っていないのに、まだ波打つ場合もあります。
今回は、ビーズのドイリーの構造について気を付けることを考えてみます。

ネッティングで編む場合、例えば、下左図のように、山型になっている部分の頂点にあるビーズから、常に次の段が始まる場合は、糸の引き具合にあまり気を付けなくても収まりはよいです。

しかし、段数が増えるにつれて、編み目が大きくなりすぎるため、下右図のように、山型の数を増やすデザインにしています。

その場合は、前の段の頂点以外の部分に、ビーズが収まることになります。
この部分で、波打つ状態が起こりやすくなります。

頂点の間にビーズが収まる場合は、隣り合うビーズ(図のaとb)の穴の距離が近いですが、頂点ではない所の間にビーズが収まる場合は、隣り合うビーズ(図のcとd)の穴の距離が遠くなります。


上記写真の場合は、ペヨーテステッチで編んでいるため、ビーズが半分ずつずれて並んでいるので、隣り合うビーズ同士の穴の距離は近い上に、筒状の形をしたデリカビーズを使っていることもあって、ビーズの収まりがよく、少し糸の引きが強くてもあまり問題にならず、平らに出来上がりやすいです。

よって、ネッティングで編む際に、頂点ではない所に、ビーズが入る場合は、通常よりも、さらに気を付けて糸をゆるくした状態にして作業する必要があります。

そのためには、手に持って作業するのではなく、机の上に置いた状態で作業するとうまくいきます。
ドイリーが平らになった状態で作業できるので、引きすぎている場合は、すぐにどこかが波打ってきます。
作業していても何も変化がなければ、適切な糸の引き具合で作業できていることが分かります。

机の上に置いたまま編むのは、初めは、少し作業しづらいかもしれませんが、直径の大きな物になると、置いた状態で作業しないと、逆に作業しづらくなるので、最初から、そのよう作業する癖を付けておいた方がよいと思います。

構造に注意することで、よりよい作業が行え、仕上がりが変わってきます。
初めて編む場合は、どのくらい引くのかという感覚がつかみにくいと思います。
うまくいかなかったら、波打たなくなる部分までほどいて、もう一度やり直すのが近道です。

ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その1
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その2
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その3
ビーズのドイリー(ビーズで編むマット)の段の完成後、同じ段に再度糸を通す理由
オフルーム(ビーズステッチ)で使う糸の色の選択で迷いませんか

ビーズアクセサリーLobeliaで販売しているビーズのドイリー(ビーズのマット)のキットはこちらです。

ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その2

ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編むときのコツ – その1」でビーズでドイリーを編む時に、糸の引き具合について書きました。

今回は、どういう場所で波打つ状態が起きやすいか書きます。

ネッティングの場合、下図のように、山型になっている部分が収まるスペースが、広い所(aとbの間)と、狭い所(cとdの間)があります。

同じ数のビーズが入る場合でも、広い所にある山型部分の高さは低く、狭い所にある山型部分の高さは高くなります。

狭い所に収まるビーズを入れた時に糸を強く引くと、山型になっている部分を平らにしようとする力が働き、元々あるスペースよりも広がった形になって収まるので、波打つ状態が起こりやすくなります。

狭い所にビーズを入れる作業している場合は、広い所での作業よりも、糸の引きを強くしないように、気を付けることが大切です。
確認の仕方は、「ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編むときのコツ – その1」にあります。

ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その1
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