ビーズの色合わせ(2)- 中染めビーズが小さく見えることに注意

中染め(カラーライン:color-lined)ビーズは、透明又は透明系カラービーズの中を染めた物ですが、色によっては、小さく見えることがあるので注意が必要です。

上の写真のフリンジの場合は、矢印部分に中染めビーズが入っています。
たくさんある中の1粒であることと、ライトトパーズ色のビーズにペールブルーでの中染めで色が混ざって見えるため、特に小さく見える感じはありません。

しかし、下の写真のように、1色あたりのビーズの数が比較的多く入っていて、段階的に色が変化するようなフリンジの場合は注意が必要です。

上の写真では、中染めビーズは使われていないので、フリンジの太さに変化はありません。
しかし、下の写真のようにフリンジの途中に中染めビーズを使うと、フリンジの真ん中辺りだけ細く見えます。この場合は、特に無色透明のビーズに濃いアメジストでの中染めなので、特に細く見えると思います。

元のビーズの色と中染めの色の濃さが近い場合や、濃い色のビーズに中染めする場合などのように、色の組合わせによっては、あまり小さく見えない場合もあるので、ビーズの色合わせの時には、こういう点にも注意してビーズを選ぶようにした方がいいと思います。

ビーズの色合わせ(3)- 中染めビーズが小さく見えることを利用する

ビーズの色合わせ(1)- マット系ビーズとの組み合わせ

ビーズの色合わせは、色そのものの組み合わせ以外に、ビーズの加工の種類や質感も併せて考慮する部分が難しいですね。
今回は、マット系(つや消し)ビーズとの組み合わせで考えてみます。

マット系(つや消し)ビーズは、光を反射しないので、色がくっきり見えます。そのため、マット系以外のビーズと組合わせると、はっきりとした印象になります。

例えば、上のKT231-1NEのネックレスの四角形のパーツは、マット系ブルーのビーズとメタリックブロンズのビーズとを組み合わせて作っています。

マット系ブルーのビーズを、ラスター系(つやのある加工)ブルーのビーズに変えて作ったのが、下の写真の右側です。
ラスター系のビーズを使っている右側のパーツは、ツルツルと光った感じで、全体的に一体感のある感じに見えます。

マット系ビーズを使った左側のパーツは、メタリックブロンズのビーズとの質感の差によって色がはっきり分かれて見えます。

下の写真のKT358-1NEのネックレスやKT203-3のブルーのバッグのように、マット系ビーズと24ktメッキビーズと組合わせると、24ktメッキビーズがキラキラしている分、さらにその差は顕著です。
色がくっきりしていて、マット系の落ち着いた色合いと24ktメッキビーズの派手さとの組み合わせで、落ち着いた華やかさが出るので、私が最近よく使っている組み合わせです。

どういう組み合わせが正解とは決められないので、作品のデザインや、自分のイメージ、どう見せたいのかなどを考えて、同じ色でも、マット系のビーズを使うのがいいのか、それとも違う加工のビーズを使うのがいいのかを考えて色合わせをする必要があります。

上記の写真のキットは、KT231-1NEKT358-1NEKT203-3CHのページで販売しています。

和紙は便利です

木製のニードルケースをペヨーテステッチで覆って作るニードルケースのキットに小さな和紙を入れています。

ふたの部分を編んだ後、そのまま作品を仕上げて、ニードルケースのふたの開け閉めをすると、ビーズで編んだ部分が、木製のふたからすっぽりと抜けてしまうことがあります。
そのため、木製部分のふたとビーズで編んだ物の間に、和紙を小さく切った物をはさんで接着するという方法を取っています。

ビーズで編んだふた部分の内側に入り込むサイズに和紙を切って接着剤を塗って、木製のふたの方に接着します。
その後、和紙側に接着剤をたっぷり塗って、ビーズで編んだ物をかぶせ、ビーズの編み目に接着剤が入り込むように、よく押さえて、接着します。

接着剤(木とガラスがくっつく物)で、ビーズで編んだ物と、木製のふたの部分を直接貼り付けてもいいのですが、間に和紙を挟むことで、すき間が少なくなり、取れにくくなります。

また、木製のふたは堅くて表面が平らで、ビーズで編んだふた部分は堅くて表面が凸凹しているので、直接、両者を接着すると、やや接着力が弱いです。

和紙は、表面に凹凸があり、また水分を吸収すると膨張するので、どちらの素材とも接着しやすい形になるので、接着力が高まります。
和紙を2枚くらい重ねて貼ると、より接着力が高くなります。

和紙は、下張りにも便利です。例えば、スチレンボードに紙を貼って、作品展示用のボードを作る時によく使っています。
スチレンボードの断面部分には糊が付きません。スチレンボードの断面部分を覆うように和紙を貼ると、その部分にも、上張りの用紙を貼ることができます。
和紙は、水に濡れても破れず、引っ張ると伸びるので、厚みのあるスチレンボードの角部分に、きれいに沿うように接着する作業がとてもやりやすいです。

ニードルケースのキットは、KT202-1KT202-2のページで販売しています。

スクエアステッチですき間をうめるように編む時の注意

下の写真のように、ネックレスのパーツに使っているボールの仕上げの注意点について書いておきます。

このボールはプレイテッドヘリンボーンステッチで、ボールの真ん中辺りを編み、ボールの上側と下側は、スクエアステッチですき間をうめるように編んで作ります。

ボールの形がきれいにならないという場合のほとんどは、スクエアステッチでの作業の際に、ビーズを多く入れ過ぎているのが原因です。

このボールの場合は、スクエアステッチで、目を減らしながら2段編みますが、1段目、2段目ともに、ビーズを入れ過ぎると、ボコボコしたいびつな形になってしまいます。

内側にいくほど、極端にスペースが少なくなるので、ビーズの数も思ったほど入らないと思って、極端に減らすように作業します。

もう1つの原因としては、スクエアステッチに入る前の段のビーズに糸を通して、糸を引く作業の際の、糸の引き具合が弱いことも挙げられます。

糸の引きが弱いと、残っているスペースが広くなり、ビーズを多く入れてしまいがちです。
そして、作業後、糸始末をする時に、スクエアステッチの前の段の所に糸を通していくと、よく締まって、結果としてスクエアステッチで作業した部分のスペースを縮めるようになり、スクエアステッチで編んだ部分のビーズを押し出してしまい、いびつな形になります。

また、スクエアステッチで作業するのは、ボールの上側と下側の2箇所ですが、上側に入るビーズの数と下側に入るビーズの数は必ずしも同じではない点にも注意する必要があります。

スクエアステッチに入る前の段のビーズに糸を通して、糸を引く作業の際に、上側のスペースと下側のスペースが同じ大きさになっていないことがあるからです。
上側で1段目13個入れて、2段目で6個入れたから、下側でも同じ数を入れるのではなく、スペースに応じた数を入れるようにするときれいに仕上がります。

もう1個ビーズを入れると多いし、入れないと足らないし、どちらにしようかと迷う場合は、入れない方がいいです。
形が整うことの方を優先した方が、きれいな仕上がりになります。

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上記のステッチを使ったキットは、KT213-3NEのページで販売しています。

KT213-3NEのネックレスについては、プレイテッドヘリンボーンステッチを使ったオフルームビーズワークの本にも掲載されています。

ビーズを編んで壷を作るのは、おもしろいです

私は壷が好きで、ビーズを編んで壷を作ることが多いです。
陶器の壷も好きですし、ガラス製の壷や花瓶、香水瓶もデザインがいろいろあって大好きです。

好きになったきっかけは、多分、家にあった小さな陶器の壷だと思います。

とても小さくて、大きい物でも、高さが5cm、胴部分の直径が3cmくらいで、いくつかが、人形ケースの中に、ちょこんと飾ってありました。


形も様々で、絵付けもして、持ち手も付いていたりと、小さくてもしっかりと作ってあって、おもしろいなと思ってよく眺めていました。

雑貨屋さんや、陶芸やガラス細工の展示会などに行くと、様々な色彩やデザインの作品があり、自分でも作れたらいいなと思っていたので、自然と、ビーズで壷を作るようになったのかなと。

意外と悩むのが、首の部分です。
胴の部分とのつながりをどうするかや、ビーズの目の数と首の太さとデザインをどうするかで作業がストップしてしまうことが多いです。


また、しっかりと堅さのある仕上がりにしたいので、胴の部分に芯を入れて作ることが多いのですが、ネッティングのように柔らかく編みあがるステッチでも作ることができる反面、芯のサイズと合わせないといけないので、デザインに工夫が必要です。

最近は、芯を入れずに作ることも増えてきていますが、こちらの場合は、好きなデザインで作ることができる反面、特に大きくなると、強度をどう保つかということとデザインとの兼ね合いが難しい所です。

いろいろ考える部分が多く、イメージ通りに仕上げるための、試行錯誤の過程は、大変なのですが、本当におもしろいです。