オフルームビーズワークでの糸の色を生かした編み方

オフルームビーズワークで使う糸の色の選択で迷いませんか。」で書いたことを、もう一歩進めると、糸の色を生かして編むということができます。

例えば、上写真に使用しているビーズは、透明系(:Transparent、スキ)のブルーグリーンのビーズです。
左から順に、ダークブルーの糸、ターコイズの糸、クリームの糸、ホワイトの糸で編んでみました。

同じビーズですが、違うビーズを使ったように見えます。
私の場合は、例えば、葉っぱを作る時に、よくこういう方法を取ります。
そうすると、ビーズの色が3色しかなくても、糸が4色あれば、12色のビーズの色があることになります。
また、同じ色のビーズでの、色の濃さが変わるので、陰影を付ける効果も出せます。

また、それ以外にも、ビーズの色が少し薄いと思う時は、そのビーズの色と同系色の糸を使うと、編みあがりの色が少し濃くなりますので、もう少し濃い色があればと思う時は、糸の色をあえて変化させてみるのも1つの手です。

ヘリンボーンステッチは、編み目の特徴から、糸が表面に見えるので、糸の色の影響は大きいです。例えば、透明カラーのシルバーライン(銀引)のビーズを編む時に、ホワイトの糸で編むと、白っぽいシルバーになり、グレーの糸で編むと、落ち着いたシルバーになります。

ビーズのドイリー(ビーズで編むマット)の段の完成後、同じ段に再度糸を通す理由。

ビーズのドイリー(ビーズで編むマット)のキットでよくある質問についてです。
疑問に思っている方も多いのではないかと思いますので、理由と、どういう時にする必要があるのかについて書いておきます。

ネッティングのステッチを使ったこのドイリーの作品の場合、
「11段目。
10段目の頂点(印)の間に、シードビーズを5個ずつ入れる(48箇所)。
今入れたビーズの1、2、4、5番目のみに糸を通す。

キットによっては、
「11段目。
10段目の頂点(印)の間に、シードビーズを5個ずつ入れる(48箇所)。
今入れたビーズの頂点以外のビーズに糸を通す。

と、なっている物もありますが、同じ意味です。

この「今入れたビーズの1、2、4、5番目のみに糸を通す。(今入れたビーズの頂点以外のビーズに糸を通す。)」の作業をしなくても、形を作ることはできますが、持ち上げた時などに型崩れしてしまいます。

理由は、11段目にシードビーズを5個入れただけでは、上図の2個の×印の部分(5個のビーズの内の2、4番目)のビーズが直接つながっていないためです。
同様に、上図の2個の印の部分(1つ目の山型のビーズの5番目と隣の山型の1番目)のビーズも直接つながっていないためです。

下図のように、×印の部分のビーズと、印の部分のビーズに全て糸を通すと、「今入れたビーズの1、2、4、5番目のみに糸を通す。(今入れたビーズの頂点以外のビーズに糸を通す。)」ということになります。このようにしておくと、型崩れしないだけではなく、山型の形も頂点が飛び出た、きれいな形になります。

この作業は、すべての段では行いません。
下の図のように、その段を編んだ時に、隣り合う×印の部分のビーズ同士、あるいは、隣り合う印の部分のビーズ同士が、ぴったりとくっつくように並んでいる場合のみです。
この場合は、たいてい山型の数も多く、幅の狭い形になっていることが多いため、何もしないと、収まりが悪いため、必ず必要になります。下の図のように、その段を編んだ時に、山の形が低く、隣り合う×印の部分のビーズ同士、あるいは、隣り合う印の部分のビーズ同士が、離れている場合は、行いません。

余談ですが、ペンダントトップの一番外側が、山型になっているデザインの場合も、同様の作業を行うと、きれいに仕上がります。

ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その1
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その2
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その3
ビーズのドイリー(ビーズで編むマット)の段の完成後、同じ段に再度糸を通す理由
オフルーム(ビーズステッチ)で使う糸の色の選択で迷いませんか

身近な所にビーズワークの配色のヒントがあったりします。

ずいぶん前に、カメラでの撮影の仕方を、短期間教えてもらったことがあります。
まだデジタルカメラがなかった頃だったので、フィルムカメラで、マクロレンズを付けて植物のクローズアップ撮影を練習していました。

デジタルカメラだと撮った写真に余分な物が写り込んでいてもいても、ソフトで簡単に消せたりしますが、フィルムカメラだとそうはいかないので、撮影の時に、神経を使いました。
それでも、撮影する場所の都合で、入ってしまったりするんですよね。

「ファインダーを覗いて、余分な物が入っていないか、隅々まで見て確認しなさい。」とか「被写体をよく見て、一番きれいに見える角度を探して、カメラの高さや向きをいろいろ変えなさい。」などと、撮影の度によく言われました。
だから、撮影時間よりも、カメラを覗き込んでいる時間の方が長かったです。

でも、そのおかげで、写真を撮っていない時でも、何かを観察する時には、ジーッと穴があくまで見るような見方をする癖がついて、細かい所まで物を見るようになりました。

そんな目で、花を見ると、形がおもしろかったり、思ってもない色が入っていたりします。ブルースター(オキシペタラム)は、2~2.5cmほどの明るいブルーの花が咲きます。
開花してからも色合いが変化して、紫とブルーが混じっている時の色は、独特の色合いをしていて、すごいきれいです。

よく見かける単色に見えている花も、よく見てみると、いろんな色が入っていたりします。
観察してみると、案外身近な所に、ビーズワークの配色のヒントがあったりします。
何か見つけようと思って見ていると、何となく物を見ているよりも、おもしろいですよ。

オフルーム(ビーズステッチ)で使う糸の色の選択で迷いませんか

オフルーム(ビーズステッチ)の作品で、例えば、ブルー系のビーズが多い作品を作る場合は、ターコイズやブルーの糸などのように、ビーズと同系色の糸を使うことが多いと思います。

では、多色のビーズが入り混じった作品の場合は、どんな色の糸を使えばいいのか、結構難しい時があります。

例えば、下のビーズのドイリー(ビーズのマット)のような作品。いろいろな色のビーズが入っていますが、ホワイトの糸を使って編みます。

次の(1)~(4)の写真の、ペヨーテステッチで編んだ2枚のパーツはそれぞれ、同じビーズを使っていますが、左は、ターコイズの糸、右はホワイトの糸で編んでいます。(1)は不透明(:opaque、ギョク)のターコイズ色のビーズを使っていて、写真では分かりづらいかもしれませんが、左のターコイズ色の糸で編んだ方が、やや濃く見えます。
(2)は不透明のホワイトのビーズで、これはかなり色味が違って見えます。

ビーズ同士のすき間がほとんどないペヨーテステッチで、しかも不透明なビーズを使っていても、ビーズ同士のわずかなすき間から見える糸の色が影響しているためです。

(3)は、セイロン系のビーズで一見不透明のようですが、完全に不透明ではないため、ビーズそのものの色も濃くなって見えます。
透明系のビーズを使うと、この色の差はさらに出てきます。

(4)は、不透明の濃いブルーのビーズで、こちらはほとんど差が見えません。

以上のことと、このドイリーの場合、ホワイトのビーズと透明系のビーズの色は濁ってほしくないため、色味を変化させないホワイトの糸を使うということになります。

このドイリーは、ホワイトのビーズを使っていませんが、セイロン系のビーズが多いため、濃い色の作品ですが、これもホワイトの糸を使っています。
落ち着いた感じにしたい場合は、クリーム色の糸を使うこともあります。

その他にも、ブラック系のビーズと他に数色のビーズを使う場合、ブラックの糸では色が強すぎる感じがして、グレー、ベージュの糸を使うことが多いです。

同様に、グリーン系のビーズに、グリーンの糸を使うと、グリーンの色がより濃くなってしまうため、たいていクリームの糸を使います。グリーン系とブラウン系のビーズを合わせる時は、クリーム又はベージュの糸を使うことが多いです。

作品の種類によっても変わってきますし、使うステッチの種類によっては、糸が目立つこともあるので、一概にこの色の糸が最適と言えないのですが、作品がどのように見えるといいのか考えて、糸の色を選択するといいと思います。

ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その1
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その2
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その3
ビーズのドイリー(ビーズで編むマット)の段の完成後、同じ段に再度糸を通す理由
オフルーム(ビーズステッチ)で使う糸の色の選択で迷いませんか

ビーズアクセサリーLobeliaで販売しているビーズのドイリー(ビーズのマット)はこちらです。

ビーズで編む壷の首がグラグラするのを防ぐには

ビーズで編む壷の首が、グラグラしたり、堅く仕上がらないという質問が良くあります。

胴の部分には芯が入っていて、あまり糸を引かなくても形が保たれますが、首の部分は、何も入っていないため、編んだ時の状態が仕上がりの堅さとなります。
そのため、首の部分は、胴部分よりも、糸にワックス(ビーズワックス:beeswax)をしっかりかけて、よく糸を引いて編む必要があります。
糸を強く引いて編むだけでは、作品が堅く仕上がりません」の記事も参考にしてください。

それ以外にも、壷の胴部分から首に移る部分をしっかり作っておく必要があります。
この部分は、形が極端に変わったり、使うステッチが変わったりするため、不安定になりがちです。


上記のKT312-2CHとKT120-4CHは、胴部分をネッティングで編むので、ビーズ同士がつながっている部分が少ないため、首の根元周辺がぐらつきやすくなります。
中に芯は入っていますが、胴部分の編み終わりの数段は、糸を強めに引いて編むようにすると、首の部分を作ってもグラグラしにくくなります。

また、首の部分の1段目を編んだ後、もう一度同じ所に糸を通してよく引いてから、2段目を編むとしっかりします。

スペース

KT324-2CHの首の部分は、筒状のヘリンボーンステッチで作ります。
それに対して、壷の胴部分のビーズの穴の向きは、筒状のヘリンボーンステッチで並ぶ方向には並んでいません。
そのため、首の部分の一番最初の段は、胴の部分のビーズの穴を上向きに起こすようなイメージで、糸をしっかり引いて編まないと、ぐらつきの原因になります。ここをしっかりしておくと、筒状のヘリンボーンステッチは、よく糸を引けば締まりやすいので、堅く仕上げることが出来ます。

首を編んだ後に、首の部分に何度か糸を通しておくのもいいことです。
ただ、持ち手を付ける前にしてしまうと、針が通らなくなることがあります。
形を作る時に、ある程度しっかりと糸を引いて作り、持ち手も付けて、後は糸始末するだけという状態になっても、まだグラグラするようであれば、首部分の編み目に針が通る範囲で糸を通してよく引いておくといいと思います。

壷のキット・携帯ストラップキットは、ビーズアクセサリーLobeliaの 壷のキットのページで販売しています。