ビーズで編んだ2枚のパーツを縫い合わせて作る場合の注意点

ビーズで編んだ2枚のパーツを縫い合わせる時、全く同じ形の物を2枚縫い合わせる場合は、問題ないのですが、次のネックレス(KT231-1NE)に使われている四角いパーツのように、

表側のパーツに裏側のパーツを重ねて、表側の外側にあるビーズを共有するように縫い合わせる場合に、うまくいかないことがあります。

うまく縫い合わせることができた場合は、下写真の右側のように、共有部分が表側パーツと裏側パーツの中間の位置に収まるように出来上がります。

うまく縫い合わせることができていない場合は、下写真のように、裏側パーツが浮き上がったように出来上がります。表側パーツを作った時は、完全に平らな状態ですが、表側と裏側を縫い合わせた場合は、共有部分が裏側部分に少し移動しています。

表側は既に出来上がっている状態なので、糸が緩むことはなく、平らな状態を保とうとします。そのため、裏側を縫い合わせる時に、共有部分が表と裏の中間の位置に来るように、表側を作った時よりも糸を強めに引いて作業しないと、こうなります。

よく糸を引いて作業するのがよいのですが、一度縫い合わせて、うまくいかない場合は、もう一周、糸を強めに引いて、作業すると、よく締まります。

糸を強く引いて作業しているのに、うまくいかない時は、表側のパーツを作る時に、固く作りすぎている場合が考えられます。
共有部分は、ビーズが少しずれて並んでいるので、その分の糸のゆとりが必要になります。
固く作りすぎている場合は、そのゆとりがないため、裏側を縫い合わせる時に、相当強く糸を引いて作業しないと、共有部分の位置が中間に来ません。

このような作り方の物は、共有する部分がどこになるかを考えて、その付近の作業の際、少しだけ緩めにパーツを作っておくと、後で縫い合わせる時に、作業しやすくなります。

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筒状やひも状のネックレスを編む時の糸の引き具合について

糸の引き具合については、教室でもよく話題になりますし、質問でもよくある項目です。
一人で作っていると、どのぐらいの強さで編むのがいいか、迷うことがありませんか。

どの程度というのは、感覚的で伝わりにくいので、どういう点に気を付ければいいのかとか、どのように出来上がればいいのかと考えてみると分かりやすいと思います。

例えば、ネッティング、ヘリンボーン、ダッチスパイラルなどのように、中空の筒状のネックレスを編む場合は、基本的には、筒の形がつぶれない固さに編めていることが必要です。

ただ、どのステッチでも同じ強さで編めばいいかと言うとそうでもなく、ヘリンボーンは、ビーズ同士がつながっている箇所が多く、糸をよく引くと締まりやすいので、あまり強く糸を引かなくても一定の力で編めばうまくいきますが、ネッティングやダッチスパイラルなどは、ビーズ同士がつながっている箇所が少ないため、ヘリンボーンで編む時よりも強めに糸を引かないと、柔らかくなってしまいます。
このように、ステッチの種類と特徴によって、編む強さを変える必要があります。

それから、ネックレスの両端を持って垂らしてみて、長さの変化を確認してみます。
机の上に置いている時に比べて、数センチも長くなってしまうようであれば、引き具合が弱くて柔らかすぎる仕上がりになっているということになります。

その次に、ネックレスの両端をそれぞれ左右の手に持って、図1のどちらかの矢印の方向にネックレスを、ずらしてみます。
うまく編めている場合は、図2のように、どちら側にずらしても、形が滑らかになっています。
うまく編めていない場合は、図3のように、いびつになっている部分があります。これは、図1の状態の時は、「確認箇所」の部分は、直線に近い形の部分にあるので、気付きにくいのですが、図3の位置に来ている場合は、曲線上にあるため、この部分の編み方がきついと、こういう形になります。

これは、ネックレス全体が一定の強さで編めていない場合と、糸継ぎをした部分の糸始末の際に糸を引きすぎている場合のどちらかが原因で起こります。

これらが全部、問題なくできている場合、どのくらいの固さになるまで編む必要があるかが、今度は気になってきます。
1つ編んだ後、その時の糸の引き具合よりも、意識して強く糸を引いて、もう1つ作ってみます。
2個目の状態が、上記の確認事項を試してみても、問題なければ、その糸の引き具合で作っても大丈夫だということになります。
逆に、1個目よりも意識して糸を少し弱めに引いて作ってみて、上記の確認事項が問題なければ、その強さでも大丈夫だということになります。

後は、作る作品の目的に合わせて、この範囲内で糸の強さを変えればいいと思います。
例えば、首への当たりを柔らかくしたい場合は、型崩れしない範囲で、少しだけ糸の引きを弱くして編んでみるとか、きれいな円形のカーブがしっかり出た堅さのあるネックレスにしたいと思ったら、強く糸を引いて編んでみるなどです。

このくらいの糸の引き具合で編むと、どのくらいの仕上がりになるかを手に覚え込ませるように、練習して感覚をつかむようにしましょう。

マットについては、ビーズのマットを編む時のコツ – その1その2その3を参考にしてみて下さい。

オフルームビーズワークでの糸の色を生かした編み方

オフルームビーズワークで使う糸の色の選択で迷いませんか。」で書いたことを、もう一歩進めると、糸の色を生かして編むということができます。

例えば、上写真に使用しているビーズは、透明系(:Transparent、スキ)のブルーグリーンのビーズです。
左から順に、ダークブルーの糸、ターコイズの糸、クリームの糸、ホワイトの糸で編んでみました。

同じビーズですが、違うビーズを使ったように見えます。
私の場合は、例えば、葉っぱを作る時に、よくこういう方法を取ります。
そうすると、ビーズの色が3色しかなくても、糸が4色あれば、12色のビーズの色があることになります。
また、同じ色のビーズでの、色の濃さが変わるので、陰影を付ける効果も出せます。

また、それ以外にも、ビーズの色が少し薄いと思う時は、そのビーズの色と同系色の糸を使うと、編みあがりの色が少し濃くなりますので、もう少し濃い色があればと思う時は、糸の色をあえて変化させてみるのも1つの手です。

ヘリンボーンステッチは、編み目の特徴から、糸が表面に見えるので、糸の色の影響は大きいです。例えば、透明カラーのシルバーライン(銀引)のビーズを編む時に、ホワイトの糸で編むと、白っぽいシルバーになり、グレーの糸で編むと、落ち着いたシルバーになります。

オフルーム(ビーズステッチ)で使う糸の色の選択で迷いませんか

オフルーム(ビーズステッチ)の作品で、例えば、ブルー系のビーズが多い作品を作る場合は、ターコイズやブルーの糸などのように、ビーズと同系色の糸を使うことが多いと思います。

では、多色のビーズが入り混じった作品の場合は、どんな色の糸を使えばいいのか、結構難しい時があります。

例えば、下のビーズのドイリー(ビーズのマット)のような作品。いろいろな色のビーズが入っていますが、ホワイトの糸を使って編みます。

次の(1)~(4)の写真の、ペヨーテステッチで編んだ2枚のパーツはそれぞれ、同じビーズを使っていますが、左は、ターコイズの糸、右はホワイトの糸で編んでいます。(1)は不透明(:opaque、ギョク)のターコイズ色のビーズを使っていて、写真では分かりづらいかもしれませんが、左のターコイズ色の糸で編んだ方が、やや濃く見えます。
(2)は不透明のホワイトのビーズで、これはかなり色味が違って見えます。

ビーズ同士のすき間がほとんどないペヨーテステッチで、しかも不透明なビーズを使っていても、ビーズ同士のわずかなすき間から見える糸の色が影響しているためです。

(3)は、セイロン系のビーズで一見不透明のようですが、完全に不透明ではないため、ビーズそのものの色も濃くなって見えます。
透明系のビーズを使うと、この色の差はさらに出てきます。

(4)は、不透明の濃いブルーのビーズで、こちらはほとんど差が見えません。

以上のことと、このドイリーの場合、ホワイトのビーズと透明系のビーズの色は濁ってほしくないため、色味を変化させないホワイトの糸を使うということになります。

このドイリーは、ホワイトのビーズを使っていませんが、セイロン系のビーズが多いため、濃い色の作品ですが、これもホワイトの糸を使っています。
落ち着いた感じにしたい場合は、クリーム色の糸を使うこともあります。

その他にも、ブラック系のビーズと他に数色のビーズを使う場合、ブラックの糸では色が強すぎる感じがして、グレー、ベージュの糸を使うことが多いです。

同様に、グリーン系のビーズに、グリーンの糸を使うと、グリーンの色がより濃くなってしまうため、たいていクリームの糸を使います。グリーン系とブラウン系のビーズを合わせる時は、クリーム又はベージュの糸を使うことが多いです。

作品の種類によっても変わってきますし、使うステッチの種類によっては、糸が目立つこともあるので、一概にこの色の糸が最適と言えないのですが、作品がどのように見えるといいのか考えて、糸の色を選択するといいと思います。

ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その1
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その2
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その3
ビーズのドイリー(ビーズで編むマット)の段の完成後、同じ段に再度糸を通す理由
オフルーム(ビーズステッチ)で使う糸の色の選択で迷いませんか

ビーズアクセサリーLobeliaで販売しているビーズのドイリー(ビーズのマット)はこちらです。

ビーズで編む壷の首がグラグラするのを防ぐには

ビーズで編む壷の首が、グラグラしたり、堅く仕上がらないという質問が良くあります。

胴の部分には芯が入っていて、あまり糸を引かなくても形が保たれますが、首の部分は、何も入っていないため、編んだ時の状態が仕上がりの堅さとなります。
そのため、首の部分は、胴部分よりも、糸にワックス(ビーズワックス:beeswax)をしっかりかけて、よく糸を引いて編む必要があります。
糸を強く引いて編むだけでは、作品が堅く仕上がりません」の記事も参考にしてください。

それ以外にも、壷の胴部分から首に移る部分をしっかり作っておく必要があります。
この部分は、形が極端に変わったり、使うステッチが変わったりするため、不安定になりがちです。


上記のKT312-2CHとKT120-4CHは、胴部分をネッティングで編むので、ビーズ同士がつながっている部分が少ないため、首の根元周辺がぐらつきやすくなります。
中に芯は入っていますが、胴部分の編み終わりの数段は、糸を強めに引いて編むようにすると、首の部分を作ってもグラグラしにくくなります。

また、首の部分の1段目を編んだ後、もう一度同じ所に糸を通してよく引いてから、2段目を編むとしっかりします。

スペース

KT324-2CHの首の部分は、筒状のヘリンボーンステッチで作ります。
それに対して、壷の胴部分のビーズの穴の向きは、筒状のヘリンボーンステッチで並ぶ方向には並んでいません。
そのため、首の部分の一番最初の段は、胴の部分のビーズの穴を上向きに起こすようなイメージで、糸をしっかり引いて編まないと、ぐらつきの原因になります。ここをしっかりしておくと、筒状のヘリンボーンステッチは、よく糸を引けば締まりやすいので、堅く仕上げることが出来ます。

首を編んだ後に、首の部分に何度か糸を通しておくのもいいことです。
ただ、持ち手を付ける前にしてしまうと、針が通らなくなることがあります。
形を作る時に、ある程度しっかりと糸を引いて作り、持ち手も付けて、後は糸始末するだけという状態になっても、まだグラグラするようであれば、首部分の編み目に針が通る範囲で糸を通してよく引いておくといいと思います。

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