色違いの作品を作ってみる(1)

「オリジナル作品を作りたいけれど、どう手を付けたらいいか分からない。」と言う人には、「まず、既存の作品の色違いを作ってみましょう。」と言っています。

最初は、同じトーンでの色違いを考えてみるのがいいと思います。

上の写真の例のように、ブルーの作品をピンクの作品に変更する場合を考えてみます。

ブルーの壷で多く使われている濃いめのブルーのシードビーズとファイアーポリッシュを、色の彩度や明るさがほぼ同じに見える濃いめのピンクに変更します。

次に多く使われている首の部分の水色のビーズを何色にするか決めます。
薄いピンクにしてもいいのですが、今回は、もう少しメリハリのある感じにしたかったので、白にしてみました。

後は、所々に使われているアクセントカラーを何色にするかを考えます。
この色は、そのまま変更しなくてもピンクの壷に合う場合もありますので、イメージに合わない部分の色を適宜変更します。

書いてみると手順は簡単ですが、実際はイメージ通りの色があるかどうかで色の変更をしなければいけない場合もありますし、同じ色でもビーズの加工の種類が違うと、見え方も変わるので、やってみると意外に悩むことがあります。

上の例での、首の部分の水色のビーズを白ではなく、薄いピンクにすると、アクセントカラーの色が違ってくる場合もあり、ピンク系の作品を考えている中でも、結果が随分変わってきます。

色違いの作品を作ってみる(2)

菜の花色

家に咲いている菜の花です。
この花が咲き進むと、春が来たなって感じます。

黄色と黄緑色の明るくて爽やかな色合いが、とても好きです。
だから、作る物も、この色合いから影響を受けた物が結構あります。

上のネックレスの丸型のコロッとしたパーツは、「プレイテッドヘリンボーンステッチを使ったオフルームビーズワーク」の本に掲載の「パフ型パーツのネックレス」(P.60)で、作っているのと同じパーツです。
本書に載っているのとは、色合いが随分違いますが、こういった明るい色合いで作ると、花のような感じが出せます。

これは、菜の花のイメージをそのまま壷にしてみたという感じです。

ビーズを編んで壷を作るのは、おもしろいです

私は壷が好きで、ビーズを編んで壷を作ることが多いです。
陶器の壷も好きですし、ガラス製の壷や花瓶、香水瓶もデザインがいろいろあって大好きです。

好きになったきっかけは、多分、家にあった小さな陶器の壷だと思います。

とても小さくて、大きい物でも、高さが5cm、胴部分の直径が3cmくらいで、いくつかが、人形ケースの中に、ちょこんと飾ってありました。


形も様々で、絵付けもして、持ち手も付いていたりと、小さくてもしっかりと作ってあって、おもしろいなと思ってよく眺めていました。

雑貨屋さんや、陶芸やガラス細工の展示会などに行くと、様々な色彩やデザインの作品があり、自分でも作れたらいいなと思っていたので、自然と、ビーズで壷を作るようになったのかなと。

意外と悩むのが、首の部分です。
胴の部分とのつながりをどうするかや、ビーズの目の数と首の太さとデザインをどうするかで作業がストップしてしまうことが多いです。


また、しっかりと堅さのある仕上がりにしたいので、胴の部分に芯を入れて作ることが多いのですが、ネッティングのように柔らかく編みあがるステッチでも作ることができる反面、芯のサイズと合わせないといけないので、デザインに工夫が必要です。

最近は、芯を入れずに作ることも増えてきていますが、こちらの場合は、好きなデザインで作ることができる反面、特に大きくなると、強度をどう保つかということとデザインとの兼ね合いが難しい所です。

いろいろ考える部分が多く、イメージ通りに仕上げるための、試行錯誤の過程は、大変なのですが、本当におもしろいです。

ビーズで編む壷の首がグラグラするのを防ぐには

ビーズで編む壷の首が、グラグラしたり、堅く仕上がらないという質問が良くあります。

胴の部分には芯が入っていて、あまり糸を引かなくても形が保たれますが、首の部分は、何も入っていないため、編んだ時の状態が仕上がりの堅さとなります。
そのため、首の部分は、胴部分よりも、糸にワックス(ビーズワックス:beeswax)をしっかりかけて、よく糸を引いて編む必要があります。
糸を強く引いて編むだけでは、作品が堅く仕上がりません」の記事も参考にしてください。

それ以外にも、壷の胴部分から首に移る部分をしっかり作っておく必要があります。
この部分は、形が極端に変わったり、使うステッチが変わったりするため、不安定になりがちです。


上記のKT312-2CHとKT120-4CHは、胴部分をネッティングで編むので、ビーズ同士がつながっている部分が少ないため、首の根元周辺がぐらつきやすくなります。
中に芯は入っていますが、胴部分の編み終わりの数段は、糸を強めに引いて編むようにすると、首の部分を作ってもグラグラしにくくなります。

また、首の部分の1段目を編んだ後、もう一度同じ所に糸を通してよく引いてから、2段目を編むとしっかりします。

スペース

KT324-2CHの首の部分は、筒状のヘリンボーンステッチで作ります。
それに対して、壷の胴部分のビーズの穴の向きは、筒状のヘリンボーンステッチで並ぶ方向には並んでいません。
そのため、首の部分の一番最初の段は、胴の部分のビーズの穴を上向きに起こすようなイメージで、糸をしっかり引いて編まないと、ぐらつきの原因になります。ここをしっかりしておくと、筒状のヘリンボーンステッチは、よく糸を引けば締まりやすいので、堅く仕上げることが出来ます。

首を編んだ後に、首の部分に何度か糸を通しておくのもいいことです。
ただ、持ち手を付ける前にしてしまうと、針が通らなくなることがあります。
形を作る時に、ある程度しっかりと糸を引いて作り、持ち手も付けて、後は糸始末するだけという状態になっても、まだグラグラするようであれば、首部分の編み目に針が通る範囲で糸を通してよく引いておくといいと思います。

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