ビーズのドイリー(マット)の糸の引き具合について

オフルームのキットを購入された方からの質問で一番多いのが、ビーズのドイリーを編む時の糸の引き具合についてです。そのほとんどが、「出来上がった物が波打ってしまう。」という内容で、ビーズワーク教室でもよく聞かれます。

この時期になると、ビーズのドイリーを編む方も多くなるので、また少し書いておこうかと思います。以前にまとめた、ビーズのドイリーを編む時の全体的なコツについては、以下のリンクにあります。

ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その1
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その2
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その3
ビーズのドイリー(ビーズで編むマット)の段の完成後、同じ段に再度糸を通す理由
オフルーム(ビーズステッチ)で使う糸の色の選択で迷いませんか

今回は、もうちょっと分かりやすくというか、イメージしやすい感じに書いてみようかと思います。

下の図は、ドイリーのある段のビーズに通っている糸の部分だけを取り出した図です。

これを強く糸を引くと、下の図のように、山が小さくなります。実際にはビーズに通っているので、ここまで極端には縮まないですが、山が小さくなろうとして、ビーズがぎゅーっと集まってしまいます。これが、「出来上がった物が波打ってしまう。」という原因です。

だから糸を強く引いてはいけないのです。重しをしても伸びませんので、きつく編まないことが大事です。

強く引いてないけれど波打つという場合も、ドイリーの山の形がどこに出来ているかによって、強く引いてしまっていることになることがあります。それはビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その3に書いてあるような形の場合です。

そういう場合は、一度、自分が思っているよりも極端にゆるく編んでみて下さい。それで糸が見えてしまう場合は少し糸を引いてみます。ある程度引くと、山になった部分がピョコッと持ち上がることがあります。そうするとやはり引きすぎなのでゆるめます。

こうすることでどのぐらい引っ張るとよくないかが分かるので、一度お試しください。

糸が短く切れてしまった場合に、糸始末する方法 – 2

前回、ビーズを糸で編んでいる時に、途中で糸が短く切れてしまった場合の糸始末の方法として、「糸が短く切れてしまった場合に、糸始末する方法 – 1」を説明しました。
今回は、この方法では糸始末できないくらい短く糸が切れてしまった場合の糸始末の方法を説明します。

糸が切れている場所のビーズの位置に、新しい糸を通した針を、進行方向とは逆方向に刺します。(図2)

そして、糸が切れる前に編んでいた所と同じ所を通ります。(図3)
この時に、新しい糸の端を長く残すようにしておきます。

今度は、反対方向へ向かって、糸が切れる前に編んでいた所と同じ所を通ります。(図4)

図3、4と同様の作業を繰り返し、十分に糸を通したら、針に通っている部分は切り、端に残していた糸で続きを編みます。
短く切れている糸は、後で切ります。

糸が短く切れてしまった場合に、糸始末する方法 – 1

ビーズを糸で編んでいる時に、気付いたら糸が短くなりすぎてしまった場合や、途中で糸が短く切れてしまった場合があると思います。

とりあえず、糸始末して、一番最後に編んだ部分がほどけないようにしておかないといけないですよね。

糸が簡単にほどけて、やり直しの作業も簡単であれば、糸始末ができるだけの長さになるまでほどいた方が早いです。
でも、ほどくと糸が弱ってしまったりする場合や、ほどくのが大変な糸の通し方をしている場合、また糸がほどけない状態で糸が切れてしまった場合などは、次のような方法で糸始末したほうがいいと思います。


切れた部分の短い糸が出ているビーズの隣のビーズに、進行方向と逆方向へ、糸を通さない状態で針のみを半分以上突き刺します。可能であれば、ビーズ数個に一度に針を刺すとよいです。(図2)
切れた短い糸を針に通して、針を引っ張ります。(図3)

これを繰り返して、数粒のビーズに糸を通します。

糸が針と同じぐらいの長さしかなくても、このようにすれば糸をビーズに通すことができます。

今度は、糸が出ているビーズの隣のビーズに、図2の時とは逆方向へ針のみを半分以上突き刺します。(図4)
図3の時と同じように、切れた短い糸を針に通して、針を引っ張ります。

これを繰り返して、数粒に糸を通します。

とりあえず、最後に入れたビーズがほどけることはなくなりました。

糸が切れてしまった位置にあるビーズの前に編んでいた部分を必ず通るようにして、新しい糸を足して、続きを編みます。

ビーズのフリンジの取り付け方に工夫

ビーズでフリンジを付ける場合、糸を引きすぎて仕上げる人がいるので、聞いてみると「糸が見えるから。」という答えが返ってきました。

上の写真のフリンジの取付位置部分で、ペンダントとフリンジの間に糸が見えるとのことですが、その見えている糸は必要です。
この糸が見えない状態だと、糸を引きすぎているため、フリンジがゴツゴツした形になり、きれいに揺れません。

1本取り付けたら、ゆがまずに下に垂れ下がっているかということと、しなやかに揺れるかどうか確認します。

糸を引きすぎていたら、フリンジを持って下に少しだけ引っ張り、取付位置に糸がわずかに見えるようにします。
もう一度きれいに揺れるかどうか確認してから、次のフリンジを取り付けます。

長めのフリンジの場合は、自身の重みで下に垂れ下がりやすいので、少し糸を引いた程度なら、ゴツゴツとした感じにはなりにくいのですが、短めのフリンジは、軽いので、気を付けて作業しないと、糸の引きすぎになっていることが多いです。

きちんとフリンジが取り付けられたら、今度は、そのフリンジを安定した状態に保つことを考えます。

上の写真のフリンジは、このように付いています。

部分拡大するとこうなります。
一本の糸で一筆書きのように付けていますので、1本のフリンジを下に引っ張ると、隣のフリンジが引っ張られて糸のゆるみがなくなり、ゴツゴツした状態になります。

フリンジを全部取り付けた後、上図のように、フリンジ取付位置のペンダント部分のビーズの中に糸を通しておくとよいです。

この時に、ビーズの中に通っている糸に、針を突き刺すようにして、作業している糸とからまるように作業しておくのがポイントです。
こうすることで、フリンジを取り付けた時の糸が固定されるので、フリンジの1本が引っ張られても、隣のフリンジに影響しずらくなります。
何度か糸を通しておくと、より固定されます。

表と裏に共有部分があるパーツをビーズで編む場合の注意点

表と裏に共有部分があるパーツをビーズで編む場合も、「ビーズで編んだ2枚のパーツを縫い合わせて作る場合の注意点」とよく似た注意が必要です。


これは、パーツの外側に位置しているビーズが、表と裏で共有しています。
表側を作り、続けて裏側も同じ模様で編みます。

ビーズを1個ずつ編むので、パーツを2枚別々に作って縫い合わせる場合よりも、表側に引っ張られやすいため、さらに、よく糸を引いて作らないといけません。

同様に、出来上がったパーツの共有部分は、ビーズが少しずれて並んでいるので、その分の糸のゆとりが必要になりますので、表側は、共有する部分の付近を、少しだけ緩めにパーツを作っておくことも必要です。

上記のブレスレット(KT226-1BT)は、パーツの外側だけが表と裏で共有しているので、比較的作りやすいのですが、次の写真のように、パーツの外側と内側を共有している物の場合は、パーツを編む時の糸のゆとりをどのくらいにしたらいいのかが少し難しいと思います。

分かりやすくサンプルで、説明すると、
円形の一番内側の列(ゴールドの部分)と一番外側の列(濃いブルーの部分)が表側と裏側で共有している部分です。

パーツ全体の中で、共有している部分の量が多いため、裏側を作る時には、今までのパーツを作る時に比べて、かなり糸を引いて作らないと、表と裏のバランスが取れた状態に仕上がりません。

tiny_bk01_plaited_photo「プレイテッドヘリンボーンステッチを使ったオフルームビーズワーク」の本と併せて、上記写真のサンプルをご購入された方は、実際にサンプルのパーツを触ってみて、固さを実感していただけたと思いますが、ペンダントやパーツとして実用的な固さに仕上げるためには、何個か練習する必要があります。

まずは、横から見た時に、共有部分が、表側と裏側のちょうど中間に位置しているような出来上がりになることを達成するために、思ったよりもかなり柔らかい状態で表側パーツを作ってみて下さい。
そして、裏側を作る際に、表側と同じ状態になるように少し糸の引きを強くして作ります。

表側と裏側を編む力のバランスが取れるようになったら、次は、もう少し固く表側を作り、裏側は、それに応じてさらに糸をよく引いて作ってみるという方法で、作ってみます。

そうやって、どのくらいの力で編むと、仕上がりが目的とする固さになるのかを、段々つかむようにします。

「プレイテッドヘリンボーンステッチを使ったオフルームビーズワーク」の本はこちらで、KT226-1NE・KT226-1BTはこちらのページで販売しています。