スクエアステッチの2段の編み方いろいろ(1)

スクエアステッチの編み方の最初の2段は、通常以下のように行います。

でも、作る物によっては、次のような違う方法を使うと作業しやすいことがあります。

【平面で、先に2段分のビーズを全て通してから作業する方法】


例えば、右写真のように、ペンダントトップの上の方に、ネックレスを通すための部分を、平面のスクエアステッチの2段で作る場合に使うと便利です。

この方法でも、さらに2通りの方法があります。

  • 次の説明の1~4のように2段を編んでから、ペンダントトップに縫い付ける方法。
  • 図1の作業の際に、#8と#9、#16#と#1を直接つながずに、#8からペンダントの後ろ側のビーズ、#9の順に通し、#16からペンダントの前側のビーズ、#1の順に通してから作業する方法。

1.(図1)
必要な数の2段分のビーズ全て(図では#1~#16)を糸に通して、#1のビーズから糸を出す。

2.(図2)
真上にあるビーズ(#16)に糸を通し、#1、#2に糸を通す。

3.(図3)
真上にあるビーズ(#15)に糸を通し、#2、#3に糸を通す。

4.(図4)
以後、同様の作業を繰り返し、端まで編む。

【筒状で、先に2段分のビーズを全て通してから作業する方法】


これは、右写真のように、筒状に2段編んだ物の中にビーズを入れて作るパーツの場合に使うと便利です。
1段目と2段目をつなぐ時に、内側にラウンドビーズを入れた状態ですると、さらに作業しやすいです。

1.(図1)
必要な数のビーズ(図では#1~#10)を糸に通して輪にして結び、#1のビーズから糸を出す。
シードビーズを1個(#11)拾い、その真下にあるビーズ(#1)を通って、再び今拾ったビーズ(#11)に糸を通す。

2.(図2)
1段目と同じ数になるように、ビーズを9個(#12~#20)拾い、#11に糸を通す。

3.(図3)
#12の真下にある#10を通って、再び#12に糸を通す。
#13の真下にある#9を通って、再び#13に糸を通す。
以後、同様の作業を繰り返し、端まで編む。

別の方法もあります。
スクエアステッチの2段の編み方いろいろ(2)へ。

スクエアステッチの他の情報については、オフルームビーズワーク Sweet Peaのスクエアステッチの紹介をご覧ください。

できるまでやってみる(2)

前回の「できるまでやってみる(1)」の続きですが、では、繰り返し練習さえすれば、必ずうまくなるのか、というとそれだけではない部分があると思います。

私は、どちらかというと、小さい時から飲み込みが遅いタイプでした。人が2、3回で出来ることが出来なくて、物事がなかなか上達しないということがよくあり、パッと出来てしまう人がうらやましいなと思っていました。

そういう時に、「練習すればできるよ」ってたいてい言われます。でも、いくら好きでも、練習をたくさんしてもダメという物もありました。

向き不向きもあるとは思いますが、出来るようになった事と、出来なかった事との差って何だろうって、振り返って考えていた時に、理屈が分かって練習していたかどうかという点ではないかと思ったのです。

なぜそうしないといけないのか、どういう理屈なのか、目的は何かなどを説明してもらって、それを理解するようにして練習したことについては、ある程度上達できていたと思いますし、練習する時のイメージもわきやすかったような気がします。

「やってみれば分かる」とか「手や体が覚えるまで練習する」というのは確かにそうですし、試行錯誤の過程を飛ばして最初から答えを知っているのでは、本当に身に付かない、応用が効かないという点もあるかもしれません。

しかし、理屈が分かっていても、実際には、すぐにその通りに出来ないから、練習するのだとも思いますし、原理や理由・目的を理解して、さらに、できるまで練習を繰り返す方が、練習の質も上がるとも思うのです。

そういうわけで、オフルームビーズワーク教室では、理由や目的などをよく説明しています。

説明することが多い内容の場合や、説明だけでは把握しづらい内容の場合は、簡単に説明して、少し作業してもらいます。
その後、詳しく説明して、また作業してもらうようにすることもあります。

実際には、説明を聞いただけでは全部理解できないもので、少し出来るようになって初めて、その説明の意味がよく分かるのではないかと思います。

その上で、練習を繰り返していくと、うまくいかない部分を、自分で修正できるようになっていくのだと思います。

一人で練習している場合は、自分でそれを見つけ出さないといけないので、少し時間がかかるとは思いますが、方法はあると思います。

例えば、ある説明の箇所が、なぜこれをする必要があるのかと疑問に思ったら、まずその通りに作業してみます。
次に、その説明の通りにしないで作業してみます。
すると、結果に差が出てきますので、なぜその作業が必要だったのかが分かると思います。

できるまでやってみる(1)

自己啓発本のタイトルみたいですが、そうではなくて、ビーズワークの話です。

ビーズワーク教室でも、「なかなかうまくできない」、「どうしたら、これがきちんと作れますか」という声がよくあります。
解決方法は、「できるまでやってみる」ということに尽きます。

初めて作る物は、うまくいかないのは当然だし、と思って何度もやってみるのが大切です。
意外なことに、1回目うまくいっても、2回目に失敗してしまうこともあるんです。

余談ですが、私も1個作品が出来て、2個目は、少しやり方を変えて作ってみたら、失敗してしまったということがあります。

最低3回は練習するつもりで取り掛かると、うまくいかなくても余り気にならなくなるのではないかなと思いますし、3回ぐらいはしないと、コツがつかみにくいと思います。

ただ、何度やってもうまくいかない時は、一旦中断した方がいいです。
うまくいかない状態で、繰り返し作業していると、その状態に嫌気が差してきて、集中力も落ちてくるし、いい結果が得られません。こういう時は、目も非常に疲れていますし。

数日でも間を置いてから、もう1回やってみると、サッと出来たりすることもあります。
間を置くと、少し新鮮な気持ちで取り掛かることが出来ます。

全く違う作品や得意な物を作っていて、ちょっと乗ってきたなと思った頃に、以前うまくできなかった物をやってみるのも1つの手です。
案外集中力の差だったりすることもありますから。

また、うまくいっていない時は、出来ていない所ばかりに目が行っています。きちんと出来上がっている時もあるはずで、その時は、出来たうれしさの方が強くて、なぜうまくいったのかはあまり深く考えていないことが多いのではないでしょうか。

うまくいった時に、何を気を付けて作業していたかということや、どんな作品の場合だったのかなどを、よく覚えておいて、それを他の作品を作る時にも生かす方が、いいのかなと思います。

ただ、1回目で出来た時は、何に気を付けて作業していたかとか、何で出来たのかは意識していないことがほとんどだと思います。
だからそういう意味でも、3回ぐらいは、やってみる必要があると思います。

長くなりそうなので、また続きを後日に。

できるまでやってみる(2)

作品を作るためのアイデア(1)

ビーズワークの作品作りのアイデア、どんな所から出てきますか。

1つの作品から、どれだけバリエーションができるかと考えてみるのも1つの手です。
というよりも、これをどんどん進めていくと、最初の作品とは全く違った物になってしまうこともあり、とてもおもしろいので、私はよくやっています。

例えば、次のネックレス。

ボール部分の花模様がおもしろいので、何かできないかと考えて、まず花模様の部分の5枚花弁の所を6枚花弁にしてボールを作ってみました。
これに首を付けると、小さな高さ3cmほどの花模様の壷が出来ました。

さらに、この壷の花模様のボール部分の横から見た模様がきれいだったので、向きを変えて、首の作りを変えたら、次のような壷になりました。

もっと大きな模様にはならないかとか、花模様の入ったボールではなく平たく作れないかとか、考えていくと、まだまだ出てきそうです。

KT227-1NEはこちらのページで、KT324-2CHはこちらのページで販売しています。

表と裏に共有部分があるパーツをビーズで編む場合の注意点

表と裏に共有部分があるパーツをビーズで編む場合も、「ビーズで編んだ2枚のパーツを縫い合わせて作る場合の注意点」とよく似た注意が必要です。


これは、パーツの外側に位置しているビーズが、表と裏で共有しています。
表側を作り、続けて裏側も同じ模様で編みます。

ビーズを1個ずつ編むので、パーツを2枚別々に作って縫い合わせる場合よりも、表側に引っ張られやすいため、さらに、よく糸を引いて作らないといけません。

同様に、出来上がったパーツの共有部分は、ビーズが少しずれて並んでいるので、その分の糸のゆとりが必要になりますので、表側は、共有する部分の付近を、少しだけ緩めにパーツを作っておくことも必要です。

上記のブレスレット(KT226-1BT)は、パーツの外側だけが表と裏で共有しているので、比較的作りやすいのですが、次の写真のように、パーツの外側と内側を共有している物の場合は、パーツを編む時の糸のゆとりをどのくらいにしたらいいのかが少し難しいと思います。

分かりやすくサンプルで、説明すると、
円形の一番内側の列(ゴールドの部分)と一番外側の列(濃いブルーの部分)が表側と裏側で共有している部分です。

パーツ全体の中で、共有している部分の量が多いため、裏側を作る時には、今までのパーツを作る時に比べて、かなり糸を引いて作らないと、表と裏のバランスが取れた状態に仕上がりません。

tiny_bk01_plaited_photo「プレイテッドヘリンボーンステッチを使ったオフルームビーズワーク」の本と併せて、上記写真のサンプルをご購入された方は、実際にサンプルのパーツを触ってみて、固さを実感していただけたと思いますが、ペンダントやパーツとして実用的な固さに仕上げるためには、何個か練習する必要があります。

まずは、横から見た時に、共有部分が、表側と裏側のちょうど中間に位置しているような出来上がりになることを達成するために、思ったよりもかなり柔らかい状態で表側パーツを作ってみて下さい。
そして、裏側を作る際に、表側と同じ状態になるように少し糸の引きを強くして作ります。

表側と裏側を編む力のバランスが取れるようになったら、次は、もう少し固く表側を作り、裏側は、それに応じてさらに糸をよく引いて作ってみるという方法で、作ってみます。

そうやって、どのくらいの力で編むと、仕上がりが目的とする固さになるのかを、段々つかむようにします。

「プレイテッドヘリンボーンステッチを使ったオフルームビーズワーク」の本はこちらで、KT226-1NE・KT226-1BTはこちらのページで販売しています。